top of page
執筆者の写真Yoshi Masuda

早わかり!世界三大ワイン資格〜日本で受験可能な日米英のワイン資格、世界で通用するワイン資格を取得する。

更新日:8月28日



日本でも、ワインはアルコール飲料の一つのジャンルとして認知され、多くの飲食店で提供されるようになりました。さらに、コンビニなどでも手軽に購入できるため、自宅で楽しむ「ウチ飲み」の愛好者も増えています。

このようなワイン人気の拡大に伴い、ワインの資格に挑戦する人が増えています。しかし、ワインの資格や検定と一口に言っても、その選択肢は非常に多岐にわたります。

初心者向けの検定から専門性の高い資格、日本国内で通用するものから国際的に認められる資格、世界中のワインを対象とするものや特定の産地に特化した資格など、多様な選択肢があります。これらの中から自分に合ったものを選ぶのは、ガイドがなければ難しいかもしれません。

グローバルワインエデュケーションでは、日本最大の受験者数を誇る「ソムリエ資格」と、国際的に通用する2つの資格、英国の「WSET (Wine & Spirit Education Trust)」、米国の「CSW(Certified Specialist of Wine)」を合わせて世界3大資格と呼んでいます。いずれも非常に専門性が高く、取得するとワインのプロとしての評価が得られるものです。

本記事では、日本国内で現在取得できるワインの資格試験の中から、これらの3つの資格試験について、主催団体、特徴、準備方法などを中心に詳しく解説します。

以下の目次でご紹介します。
【目次】
  1. どんなワイン団体が主催しているのか?〜意外と知らないけど知っておくべき主催団体の特徴

  2. 資格の特徴〜あなたにピッタリのワイン資格を見つける

  3. 各資格試験の難易度〜ソムリエ試験と同等レベルの資格は?

  4. 合格するための準備方法〜自習か、通学か?勉強時間は?

  5. 試験の概要〜問題数、合格率、開催頻度など役立つ情報が満載

  6. おすすめの資格


自分の目的や興味関心にあった資格・検定を見つけ、ぜひチャレンジしてください。


1.    どんなワイン団体が主催しているのか?

〜意外と知らないけど、知っておくべき主催団体の特徴〜

 
ソムリエ、WSET, CSWは、それぞれ、日本ソムリエ協会、Wine & Spirit Education Trust、Society of Wine Educatorsが主催しています。では、早速、それぞれの団体の特徴をみていきましょう。

 

日本ソムリエ協会
日本ソムリエ協会は、1969年に日本におけるワインの普及を目的に設立されました。1969年というと、まだまだ日本にはワインが普及していませんでした。したがって「ワインを普及させたい!」という思いで設立されたのが、日本ソムリエ協会になります。


「日本でワインを普及させるためには、まず、サービスを提供するソムリエの技術や知識を向上させなければならない。」という考えで、ソムリエの技能・知識の向上に力を入れています。
日本ソムリエ協会のウェブサイトを見ると「食文化に携わる人々の社会的な向上をはかり広く社会へ貢献することを目的として設立されました。」とあり、ワインだけでなく、対象を食文化全体へ広げているようです。従って、ソムリエだけでなく、飲食業従事者の技能・知識の向上に力を入れているといった方が良いかもしれません。

 


Wine & Spirit Education Trust
Wine & Spirit Education Trust(以下WSET)も日本ソムリエ協会と同様に、1969年に年に設立されています。
11世紀にロンドンのワイン商人たちがギルド(同業者組合)を結成しました。このギルドを母体とするVintner’s Companyが「優秀なワイン商人の育成」を目的に1969年に結成したワイン教育機関がWSETです。


ワインの商売を円滑に行うためには、偽物を見抜くとか、適切な値付けを行うといった、基本的な知識をもった商人の育成が必要でした。そのためにワイン商人(ワイン流通業従事者)の育成を目的に設立されたのです。

 


Society of Wine Educators
Society of Wine Educators(ワイン教育者協会、以下SWE)は、日本ソムリエ協会やWSETから8年ほど遅れて、1977年に設立されました。
1977年というと、その前年に有名な「パリの審判(パリで行われたフランスワインとカリフォルニアワインの比較テイスティング会で、事前の予想を覆して、フランスワインよりもカリフォルニアワインが優秀な成績をおさめ、世界が衝撃を受けた事件。)」があり、カリフォルニアワインの素晴らしさが世界に伝わり始めた頃です。

この協会は、その名の通り、ワイン教育者の育成を目的としています。そのために、品質の高い教育プログラムや資格付与に力を入れています。
 
まとめ
この章では、世界3大ワイン資格のそれぞれの主催団体についてその目的を中心にお伝えしました。
優秀なソムリエの育成を目的とした日本ソムリエ協会、優秀なワイン商人育成を目的としたWSET、優秀なワイン教育者育成を目的としたSWEと、それぞれ設立目的がずいぶんと異なることがご理解頂けたと思います。



2. 資格試験の特徴

〜あなたにピッタリのワイン資格を見つける〜

 

ソムリエ資格

ソムリエ資格を認定する日本ソムリエ協会は、優秀なソムリエの育成を目的で設立されました。ですから、ソムリエ資格は、優秀なソムリエであることを証明する資格になります。
 
資格試験も優秀なソムリエの育成を目的としたものになっています。
 
ソムリエって知識を覚えている必要がありますよね。お客様の前で、お客様の好みのワインを選んでさしあげるのですが、お客様の前では、テキストやスマホを見たりできません。知識を覚えてなければならないです。ですから、この試験は、たくさんの知識を覚えること、変な言い方をすると、丸暗記というか、たくさんのことを詰め込む。そういうことに重点を置いた資格試験になっています。
 
言い換えると、ワイン法、産地、品種、サービス法などソムリエに必要な知識を「網羅的」に覚えているかを試す試験です。

<ソムリエ資格のテキスト>
ですからテキストも600ページ以上(最近はもっと分厚くなっているようです。)とものすごく分厚くて、覚えることが沢山あります。
 
テキストは、網羅性を重視しているので、あるワイン生産地を紹介する場合、マイナーなところも含めて全ての産地を網羅しています。また、ソムリエを意識して、ソムリエの職責とかサービス実技などといったトピックもカバーされています。
 


ワインエキスパートって何?
ところで、ソムリエ協会が認定する資格には、「ソムリエ」以外に「ワインエキスパート」があります。
実は、ソムリエもワインエキスパートも試験の内容は殆ど同じです。山のような知識を暗記せねばなりません。でも、一般の人(ワイン業界で仕事をしていない人)は合格しても「ソムリエ」とは名乗れません。「ワインエキスパート」としか名乗れないのです。ソムリエと名乗るためには、ワイン業界で3年以上仕事をしていること(酒類業務従事3年以上)が条件となります。
 
 
WSET

WSETは優秀なワイン商人の育成を目的に設立されました。ですから、この資格保有者は、優秀なワイン商人としての知識を保有していることになります。
 
当然ながら、資格試験も優秀な商人に必要な知識を持っているかを試す試験になっています。
 
ワイン商人の人たちってワインを販売するわけですから、油断していると紛い物を掴まされたりするわけですよね。ですから、ワイン商人の人たちは、ワインを飲んだ時に、これって紛い物ではないかどうかを見分ける、そういった能力が必要になってきます。ワインの品質とか価格、そういったことをキチンと見分ける、そういった能力を試すための試験になっています。
 
ですから、ソムリエ試験に比べると覚える分量というのはすごく少ないです。もちろん必要最小限のことは覚えなければならないのですが、覚えることよりもむしろ覚えたことを使って、ワインの品質や価格を見抜く、そうしたことに重点を置いた資格になっています。
 
例えば、ワインの価格が非常に高く設定されている時に、なぜ高く設定されているかを、ワインのスタイル、品質などから理論的に説明できる能力を重視しています。ソムリエ試験が「網羅的な知識」を求めるのに対し、WSETでは「なぜそうなのかの論理の理解」が求められています。

<WSETのテキスト>
従って、WSETのテキストのページ数は、レベルによって異なるのですが、 100-200ページくらいになります。ソムリエ試験のテキストは600ページくらいあるので、ソムリエ試験に比べると分量が薄いですよね。
 
取り上げる生産地も代表的なものだけに絞っていますし、ソムリエ試験のテキストではカバーされているソムリエの職責やサービス実技などに関する記述もありません。ソムリエ試験に比べると、スパークリングワインや酒精強化ワインに関する記述が充実していますが、全体のページ数が少ないです。
 
WSETを受験するには通学して授業を受けなければならない。
ただ、テキストが薄いのには理由があります。この資格試験は、授業を受けて、テキストの背後にある「テキストだけでは伝わりにくい知識」を授業を通じて習得することが前提になっています。
 
この資格試験というのは、3つの資格の中で、唯一、必ず授業を受けて単位を取らないと試験が受けられない資格になっています。「授業を受けることが前提となっている、したがってテキストが薄い」ことが、WSETの特徴になります。
 
 
CSW
ワイン教育者の育成を目的に設立されたので、CSW資格保有者は、ワイン教育者として必要な知識を保有していることになります。
 
当然ながら、資格試験も優秀なワイン教育者に必要な知識を持っているかを試す試験になっています。
 
覚える分量ですが、必要最小限の知識は覚えなければならないですが、その分量はWSETと同じくらいで、それほど多くないです。
ただし、どうしてそういったことを覚えなければならないのか、という理由はきちんと説明できる、そういう能力を養うことに主眼を置いているように感じます。この点は、WSETと似ています。
 
<CSWのテキスト>
CSWのテキストは、実は300ページもあります。前述した通り、WSETは100-200ページなので、テキストのページ数は、CSWが1.5-3倍にもなります。ところが、テキストでカバーされている内容や、覚える分量って、WSETもCSWも同じくらいの分量になんですね。
 
テキストの目次を見ても、CSWとWSETではカバーされている内容はほぼ同等です。従って、CSWでは、ひとつひとつの内容が丁寧に説明されていることになります。
 
アメリカの教科書は分かりやすく、自習に向いている。
これは、アメリカの教科書全般に言えることですけど、アメリカの教科書って自習ができる様に非常にわかりやすく書かれています。だからページ数が多いのです。
アメリカは国土が広いですから、学校に行けない人というのも結構多くて、多分、そういう背景で教科書っていうのは、自分で読んでも分かるよう書かれるようになったのだと思います。
私は、子供が小さかった頃、アメリカにいて、子供たちはアメリカの小学校に行っていました。日本の小学校の教科書ってものすごく薄いですよね。これは授業を受けることを前提にしているからなのだと思うのですが、アメリカの小学校では(小学生ですよ!)、教科書はすごく分厚いのですね。読んでみると、ほんとうに授業に行かなくても分かるようになっています。
 
CSWはテキストを自分で読んで学べるっていうのが、非常に大きな特徴になっていると思います。

 
まとめ
まとめるとそれぞれの団体の特徴から、それぞれの資格試験が想定している対象者が違いますよね。ソムリエ試験の場合は、サービスパーソンであるソムリエ。WSETの場合は商人。CSWの場合はワイン教育者です。

ソムリエ試験というのは、知識をきちんと覚える。そこに重点を置いた試験になっています。WSETとCSWも必要最小限のことは覚えなければならないのですけど、覚えることよりも、むしろ覚えたことの背景にある理由に重点を置いた試験になります。暗記よりもいろいろな事象の理由を考える、覚える、そうしたことに重点を置いた試験になっています。

 


最近は一般のワイン愛好家の受験も多い。
3つの資格は、それぞれ、当初は、ソムリエ、商人、教育者というワインの世界のプロを対象に設けられました。
しかし、最近は、こうした当初対象としていた人以外に、一般の人たちが自分の知識を試すため、腕試しのために受験されています。正確な数値は不明ですが、、受講生の半分くらいは、一般の人たちなのではないでしょうか。従って、もともとそれぞれの試験にあった特徴というのは、次第に薄れつつあるというのが実態だと思います。



<参考情報> どんな問題が出るか?
それぞれの試験でどんな問題が出るか?参考までに、その辺りをお話ししたいと思います。それぞれの試験の特徴がもっと分かると思います。各試験の特徴を理解してもらうために、少しデフォルメしてお伝えしますね。
 
ソムリエ試験

まず、ソムリエ試験ですけども、たとえばこんな問題が出ます。次の4つのうち、一番高いワインはどれでしょうか?a.シャンパーニュ、b,フランチャコルタ、c.プロセッコ、d.カヴァ、これって、どのワインが高くて、どのワインが安いかを丸暗記していると簡単に答えられるんですね。逆に丸暗記していないと答えられない、そういった問題になります。記憶力が試されるのが、ソムリエ試験の特徴になりますよね。
 
WSET

同じ観点の問題がWSETになるとどうなるかというと、たとえば、シャンパーニュというワインは高いですよね。高い理由を述べなさい。そんな問題になります。ですから、シャンパーニュが高いか安いかを覚えているのではなくて、シャンパーニュが高い理由をきちんと考えられる力、これが試されるのがWSETの試験になります。
 
CSW

CSWの場合は、WSETにかなり似ているんですけど、こんな感じになります。シャンパーニュが高い理由を次の4つのうちから選びなさい。a.瓶内2次発酵しているから、b.タンク方式だから、・・・・とあって、4つのうちから選ばせるというようになります。これもただ単に高いか安いかを覚えているのではなくて、理由についてもきちんと覚えている、こうしたことが重要ということになります。

 

3. 各資格試験の難易度

〜ソムリエ試験と同等レベルの資格は?〜

 

  「3つの資格試験の中でどれが一番難しいですか?」よく聞かれる質問です。

 
この章では、まずソムリエ試験のレベルについて説明した後、WSETやCSWの難易度をソムリエ試験と比較して説明します。
 
ソムリエ資格

後述するように、WSETには難易度によってレベル1-4までの4つレベルがあります。一方で、ソムリエ試験は、数年前まで、単一のレベルしかありませんでした。
 
ところが、最近、ソムリエの上に「シニアソムリエ」という資格ができました。同じように、ワインエキスパートもその上に「シニアワインエキスパート」という資格ができました。ソムリエとかワインエキスパートに挑戦されて合格された方は、次のレベルとして、「シニア」というレベルができたのです。
 

WSET

WSETは、レベル1、2、3、4という4つのレベルがあります。レベル1が一番簡単で、レベル4が一番難しいです。
 
WSETの難易度をソムリエ試験と比較すると、レベル2はソムリエ試験よりも少し難易度が低く、レベル3はソムリエ試験より少し難易度が高いといったところでしょうか。シニアソムリエ試験と比較すると、レベル3は、シニアソムリエ試験より難易度が低いけど、レベル4は、シニアソムリエ試験よりも難易度がかなり高いといったところだと思います。
逆に言うと、ソムリエ試験は、WSETのレベル2とレベル3の中間、シニアソムリエ試験は、WSETのレベル3とレベル4の中間といったところです。かなり大雑把な言い方ではありますが。
 
ところで、WSETのレベル4の試験は、結構大変です。受験するためには、学校に通わなくてはならないのですが、通う期間だけで2年必要です。ですから、大学の学位と取るのと同じくらい難しいと言われています。

※ マスターオブワインに挑戦には、レベル4を取得する必要がある。
みなさん「マスターオブワイン」って資格をご存知ですか?ワイン界の資格の中で最高峰と言われているものです。資格保有者は世界で数百人しかいないですし、日本人の資格保有者は、私の知る限り、多分2名だと思います。それくらい難しい資格試験ですが、この資格に挑戦するためには、まずWSETのレベル4を取得しなければなりません。みなさん、マスターオヴワインに挑戦されるのであれば、まずは、WSETのレベル4に挑戦してみてください。
 
CSW

CSWは、ソムリエ試験やWSETのようにレベルはありません。
 
CSWの難易度は、ほぼソムリエ試験と同等です。
 
まとめ
ソムリエ資格の難易度は、CSWとほぼ同等で、WSETのレベル2と3の中間にあります。シニアソムリエ資格の難易度は、WSETのレベル3と4の中間にあります。

 


4. 合格するための準備方法

〜自習か、通学か?勉強時間は?〜

 
それでは、次にそれぞれの試験の勉強方法について説明したいと思います。
 
ソムリエ資格

まず、ソムリエ資格ですが、これは600ページのテキストの丸暗記が勉強の中心になります。当然自習することが出来ますし、言い換えると自習するしかないということになります。
ただ実際には、多くの人が受験対策を教えてくれる学校に通っています。600ページのテキストを自分一人で丸暗記するというのは非常に難しいので、受験対策講座に言って、「やまはり」のポイントを教えてもらう、こういったとことは出るけどこういったところは出ないというのを教えてもらう方が多いです。600ページの中で暗記するところをせめて200ページくらいに絞り込んでくれる、そういったワイン学校に通っている方が、多くいらっしゃいます。
私の感覚でも、多分受験対策講座に通われている方の方が、合格率が高いと思いますし、受かっている方を見ても7割くらいは受験対策講座に通っているかただと思います。
ソムリエ試験は、自習はできますが、学校に通っている人が多いです。そして、学校に通った方が合格率が高いと言えると思います。
 
<学習時間>
合格するために必要な勉強時間は、400時間くらいと言われています。


 
WSET
次に、WSETですが、これは前述したように通学が必須です。通学して単位をとらないと試験が受けられません。
通学して講座をとると、その講座の最後の回に試験を受けるようになっています。
こうした講座を実施しているWSET認定校は、日本では4つほどあるようですが、そのうち3校が大手です。大手は、1校は東京だけ、もうひとつは、東京、大阪、最後の1つは東京、大阪、名古屋にあります。東京か大阪か名古屋のいずれかに必ず通学しなければならないので、地方にいらっしゃらない方にはWSETは少しハードルが高いかなという気がします。
 
気になる受講料ですが、レベル3の講座で、200,000円前後します。
 
<学習時間>
合格するために必要な勉強時間は、100-150時間くらいと言われています。
 

CSW

最後に、CSWですが、この試験は、通学が前提となっておらず、自習が可能です。前述した通り、CSWのテキストは、300 ページあって非常にわかりやすく書かれていますので、自習をするにはピッタリです。ソムリエ資格のように、沢山の知識を丸暗記する必要ありませんので、3つの中では、一番効率的に勉強ができるように感じます。
 
<学習時間>
合格するために必要な勉強時間は、100時間くらいと言われています。
 

 


まとめ

WSETは受験のためには、通学が必須です。ソムリエとCSWは自習だけで受験できますが、ソムリエ資格は多くの人が通学しています。必要な学習時間はソムリエが圧倒的に多いです。


 

5. 試験の概要

〜問題数、合格率、開催頻度など役立つ情報が満載〜

 

さて次にそれぞれの試験の概要を整理します。
 
ソムリエ資格

まず、ソムリエ資格の試験ですが、一次試験は選択試験となります。具体的にいうと4択です。a,b,c,dの中からひとつ選ぶという問題、
 
1次試験に受かった方は、2次試験に進めて、2次試験はテイスティングになります。2次試験では5種類のお酒をテイスティングします。ソムリエ資格の試験では、3種類がワイン、2種類がワイン以外のお酒、ワインエクスパート資格の試験では、4種類がワイン、1種類がワイン以外のお酒です。
 
ワインエキスパートは2次試験までですが、ソムリエ資格の試験は2次試験の後に、2次試験合格者を対象にした3次試験があります。3次試験はソムリエサービスの実技試験になります。
 
<問題数・試験時間・合格ライン>
筆記試験は、4択問題が、100-130問出題されます。時間は70分。合格ラインは70%と言われています。

<合格率>
合格率は、ソムリエ資格で30%前後、ワインエキスパートで40%前後です。ソムリエ資格の合格率は、年によってブレが大きく、2013年は17%でした。
 
<頻度>
では、どれくらいの頻度でこういうテストが行われるかですが、日本の受験と同じで、年に1回しか行われません。ですから、一回不合格になると、次の機会まで一年待たなければなりません。これって、ちょっと不親切な感じもするのですが、いずれにしても年に一回しか行われません。
 
<受験会場>
受験会場としては、日本全国で行われますので、受験の場所という意味では、受験しやすい資格となっています。ただし、世界じゅうで試験が実施されているWSETやCSWと違い、日本だけでの開催となります。個人的には、海外にも進出してもらいたいですが・・・。
 

WSET

次に、WSETですが、これはレベルによって試験の内容が異なります。レベルの1、2というのは、4択になります。a,b,c,dから一つ選ぶという選択試験です。
レベル3以上というのは、選択試験に加えて、記述問題とテイスティングが加わります。記述試験があるというのは、3つの試験の中で、WSETだけで、この準備が大変ですし、試験受ける時も記述試験というのはみんなギリギリまで書いているという感じでね、記述試験がわりと大変です。
 
レベル3の場合、同じ日にテイスティングと筆記試験(選択問題と記述問題)が行われます。ソムリエのように、1次試験が筆記で、1次試験合格者が2次試験に進めて、2次試験がテイスティングというような関係ではありません。まず、テイスティングを30分行ったあと、休憩時間をはさんで、すぐに、筆記試験が120分行われます。長丁場ですから、終わる頃にはヘロヘロになります。
 
知識を問う筆記試験のユニット1とテイスティングの実技試験であるユニット2に分かれており、両方に合格した際に資格認定がなされます。不合格になったユニットの試験だけを、次回以降に再受験することが可能です。
 
<問題数・試験時間・合格ライン>
筆記試験の問題数ですが、選択問題は50問、記述試験は4問出題されます。試験時間は120分。テイスティングは2種類(赤白1種類づつ)で試験時間は30分。筆記試験、テイスティングともに、55%以上で合格です。
 
<合格率>
合格率は、30%前後と言われています。
 
<頻度>
試験の頻度ですが、試験は、これは学校で講座を受けて、その最終日に行われるのですが、講座が年に2回開かれていますので、テストも年に2回あります。ソムリエ資格よりは頻度が多いですね。
 
<受験会場>
受験会場は、前述した通り、大手校は東京、大阪、名古屋でのみ講座を行っていますので、この3地域で受験することになります。他に、長野や青森などで試験を行っている学校もあるようです。ソムリエ資格に比べると、日本での受験会場は限定されています。ただし、世界各国で実施されています。
 

CSW

最後にCSWです。CSWの試験というのは非常にアメリカ的で、合理的な考え方に沿っていて、「世界中、誰でもどこでもいつでも受けられる!」をモットーにしています。「世界中で誰でもどこでもいつでも受けられる」ようにするためには、結局コンピュータで自動採点出来なきゃいけないというのがあって、4択の選択問題だけだけというのがCSWの試験になります。

<問題数・試験時間・合格ライン>
100問出題されて、試験時間は60分。75%以上正解すると合格となります。

<合格率> 
合格率は45%です。
 
<頻度>
試験の頻度ですが、「世界中だれでもどこでもいつでも」ということなので、一年中いつでも受けられるようになっています。日本では、会場によるのですが、週に2-3回くらいの頻度で、一年じゅう開催されています。年間100回以上開催されており、年に1回のソムリエ資格。年に2回のWSETに比べて、開催頻度で圧倒的な数を誇ります。
 
<受験会場>
受験会場も、世界中の40,000ヶ所のテストセンターで行われていて、ソムリエ試験はもちろんのこと、WSETと比べてもダントツです。日本では、4ヶ所のテストセンターで開かれています。東京に2ヶ所、あとは大阪と福岡です。

 



6. おすすめの資格

 

ここまで3つの資格試験について、主催団体、特徴、レベル、勉強方法、概要に分けて見てきました。

ここまで読まれてきて、「3つの試験の中でどれを受けようかな?」と迷われている方も多いかと思います。最後にそんな方々にヒントとなるお話しをさせて頂きます。


どの資格があなたに向いているかは、あなたの置かれている環境(どれくらい忙しいか?どれくらいの時間を準備に充てられるか?)、あなたが資格を取得する目標(グローバルに通用する知識を得たいのか?)などによって異なります。


忙しくて時間が取れない方、グローバルに活躍したい方にはCSWがお勧め
グローバルエデュケーションでは、この記事の読者には、社会的に活躍されていて、とても忙しい方、そして、これからの時代はグローバルな知識が必要だと考えれている方が多いと想像しています。そんな方にはCSW資格の取得をお勧めしています。

その理由を説明しますね。
 
まず、「とても忙しい方」には、ソムリエ試験とWSETは難しいかなと感じます。
ソムリエ試験というのは600ページ(最近はもっと増えているようです。)のテキストを丸暗記しなければならないので、かなりの時間をかけないと合格しません。WSETの方は、テキストは100-200ページなんですけど、学校に通学しなければならない、しかも東京、大阪、名古屋など大都市の学校に通学しなければならないということなので、忙しいと現実的には難しいですね。
その点、CSWは自分のペースでテキストを読みながら自習できますし、テストもいつでも受けられるので、この中では忙しい方向けかなという感じはします。
 
「これから国際的な場で活躍したい、国際的な場でワインを使って活躍したいという方」には、やはりWSETかCSW、この2つが良いと思います。この2つ資格試験のテキストの内容は、グローバルなシーンで使われるワインの知識を厳選した内容にになっていますし、グローバルなシーンで必要な知識だけを覚えるような試験になっていますので、やはり、これは国際的な場で活躍される方にはピッタリです。
 
英語という観点でいうと、WSETとCSWは英語の試験があります。WSETは試験の言語もテキストの言語も日本語か英語か選ぶことが出来ます。英語を選べば、英語でそのままワインの話ができるようになりますので、国際的な場で活躍したいという方にとっては、大変にやりがいのある試験になります。
CSWの方はさらに良くて(?)、これ英語しかないのですね。ですからCSWを勉強すれば、必ずワインのことが語れるようになるので、どうしても国際的に活躍したいという強い意志のある方には、CSWは非常に良い試験になっています。
 
CSWですが、1.自分のペースで勉強できます。2.自分が好きな時に、自分がレディーになった時に、いつでも試験が受けられます。従って、忙しい方にぴったりです。
3.グローバルなシーンで必要となるワインの知識、これがテキストにコンパクトにまとめられていますので、非常に効率的に勉強が出来ます。4.それから英語で勉強ができるようになりますから、試験勉強をすれば、英語でワインが語れるようになります。従って、国際的な場で活躍したいという方には、ピッタリだと思います。
 
合格への近道、CSW受験対策講座
そうは言っても、日本語の補助教材があったら、伴走してくれるペースメーカーがいたら、効率的に勉強をすることができる、そういうふうに思いませんか?
 
グローバルワインエデュケーションでは、CSWの受験対策講座を実施しています。これは日本で唯一SWEから認定を受けている講座です。グローバルワインエデュケーションが作成したオリジナルの日本語のテキストとSWEが作った英語のテキスト、この2つを組み合わせて、非常に効率的に受験対策を進められる、そういうプログラムになっています。
興味がある方は、下記のリンクをクリックしてください。



質問や相談のある方には、無料個別相談(ズームによるマンツーマンでのオンラインミーティング)も実施しています。お気軽にご参加ください。
無料個別相談をご希望の方は、下記のリンクをクリックして、予約サイト(カレンダー)に入って頂き、希望の日時を予約してください。


Comments


bottom of page